HV?PHV?BEV?ややこしい略称を整理しよう!
最近はさまざまな方式で走行する車が登場し、しかもそれが英語の略称で呼ばれていてややこしいですよね。
そこで今回のDriver’s Infoでは、これらの略称を1つずつ解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
HV
ハイブリッドカー / Hybrid Vehicle
ハイブリッドカーは、異なる複数の動力源を搭載した自動車のことです。大抵は、エンジンと、電気モーターの2つを搭載している場合が多いです。
ハイブリッドシステムにもいろいろな種類があります。
- 走行にエンジンと電気モーター両方の動力を使うもの
- 俗にフルハイブリッドと呼ばれる方式です。エンジンと電気モーターの動力を効率よく組み合わせて走行します。
電気モーターだけ、エンジンだけでも走行可能です。日本では最もポピュラーな方式で、燃費が非常に良いのが特徴です。
- 俗にフルハイブリッドと呼ばれる方式です。エンジンと電気モーターの動力を効率よく組み合わせて走行します。
- 発電用のエンジンを搭載し、作られた電力で電気モーターを駆動して走行するもの
- 俗にシリーズハイブリッドと呼ばれる方式です。発電のためにエンジンを動かし、走行は電気モーターのみで行います。
電気モーターならではのトルクフルな加速が味わえるのも魅力です。
- 俗にシリーズハイブリッドと呼ばれる方式です。発電のためにエンジンを動かし、走行は電気モーターのみで行います。
- 発進時の一瞬だけISG(モーター機能付き発電機)が駆動し、それ以外はエンジンの動力で走行するもの
- 俗にマイルドハイブリッドと呼ばれる方式です。搭載されるISGは出力・バッテリー容量が他のハイブリッド車に比べ、
控えめになっています。あくまでISGは補助機能として搭載されており、走行の動力はは主にエンジンによって行われます。
最近の欧州車などで積極的に採用され、48Vのシステムが主流となっています。
- 俗にマイルドハイブリッドと呼ばれる方式です。搭載されるISGは出力・バッテリー容量が他のハイブリッド車に比べ、
- 減速時にISG(モーター機能付き発電機)で発電し、蓄えた電力を車内の電装品に使用するもの
- こちらもマイルドハイブリッドと呼ばれる方式です。先ほどのマイルドハイブリッドと大きく違うのは、ISGは走行に関与しないことです。ISGによって減速時のエネルギーを電気に変換し、その電気を蓄え、カーナビやオーディオなどの機器に供給します。主に日本の軽自動車などで採用されることが多い方式です。
このように、エンジンと電気モーターの利点を組み合わせることで、低燃費と低公害を実現しています。
PHEV・PHV
プラグインハイブリッドカー / Plug-in Hybrid Vehicle
プラグインハイブリッドカーは、外部電源から充電することができるフルハイブリッドカーです。
基本的な仕組みは通常のフルハイブリッドカーと変わりませんが、プラグインハイブリッドカーは比較的容量の大きいバッテリーを搭載しています。
そのため、電気モーターだけでかなりの距離を走行できる上、電気がなくなったらエンジンの動力を使って走行することもできます。
BEV
バッテリー式電気自動車 / Battery Electric Vehicle
BEV(バッテリー式電気自動車)は、ピュアEVとも呼ばれ、いわゆる「電気自動車」のことを指します。
走行には電気モーターのみを使い、ハイブリッドカーとは比べ物にならないくらい大容量のバッテリーを搭載しています。その分、充電にも時間がかかってしまうのがデメリットです。
電気モーターのみで走行するため、エンジン特有の変速もなく、スムーズで流れるような加速が魅力的です。発進時の瞬間トルクはガソリン車のスーパーカー並です。ぜひ味わってみてくださいね。
減速時には回生ブレーキといって、電気モーターが発電する際の抵抗を使い、車両を減速させる機能も備わっています。(フルハイブリッドカーにも搭載される場合があります)
現在、日本国内では充電設備のインフラがまだ不十分ですので、今後それらが整備されることで国内のBEVユーザーも増えてくると予想されます。
ちなみにバッテリーの中身は、現在リチウムイオン電池が一般的です。将来はより充電が速く、エネルギー密度が高いとされる全個体電池に置き換わるとも言われており、今後のバッテリー事情にも目が離せません。
FCV
燃料電池車 / Fuel Cell Vehicle
燃料電池車は、水素を燃料とします。水素を酸素で化学反応を起こさせ、電気を作り出し、その電力で電気モーターを駆動させて走行するシステムです。
化学反応の結果、電気と水が発生します。車の外には水しか放出されませんので、究極のエコカーと世界中から注目されています。
国内では水素ステーションがまだ多いとは言えず、今後の普及活動に注目です。
あとがき
今回はややこしい略称を1つずつ解説いたしました。いかがだったでしょうか。
ハイブリッドカーの中でもさまざまな方式があり、名前だけではどんな特徴があるのかイメージしにくいですよね。
今後もDriver’s Infoではドライバーの皆さんのお役にたてるよう、自動車関連のさまざまな話題を取り上げて参ります。次回もお楽しみに。