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UBERというサービスの先にあるもの

2015年1月6日 公開 自動車業界トピックス 
突然ですが、「UBER」というサービスをご存じでしょうか。   2013年には東京でもサービスが開始されていたようなのですが、恥ずかしながら、私は今年になるまで知りませんでした。   https://www.uber.com/cities/tokyo   01   http://liginc.co.jp/omoshiro/try/62865   簡単に説明すると、ハイヤーのサービスをWeb&GPSの力でより簡単に利用できるようにしたもの。   発祥の地であるアメリカでは、ライド・シェアと呼ばれるように普通の人が自家用車を使ってドライバーになり、Webを介してお客を取って目的地まで届けてくれる、というものです。   日本で同じことをやると、いわゆる白タク行為になっちゃうでしょうね。個人が事業者&営業エリアの事前登録を予めやろうとしても、審査が通るとはとても思えないので、アメリカとは異なる形態=タクシー配車アプリに近い形になっているんだと思います。   http://japantaxi.jp/ http://www.ainoriya.net/   「安全」や「補償」の問題に敏感なお国柄だけに、いざ事故やトラブルが起きたときの体制に不安が残る「Uber」のライド・シェアの仕組みは、この先も定着することは難しそうです。(ドライバーには二種免許も必要ですしね)   以下はタクシー配車アプリでも実現されていますので、一度利用するとその便利さに驚くかもしれません。 ・専用アプリをインストールし、クレジットカードを予め登録しておくことで決済もアプリ内で済ませられる → 今やタクシーでもクレジットカード決済できる車両が増えましたが、それでも降車時に時間がかかったり、乗車前にクレジットカードが使えるか確認する手間がかかっています。   ・自分のいる場所へと向かってくる車の位置情報もアプリ上で確認できる → タクシーがいつやってくるのかと寒空や雨に打たれながら待つ必要が無くなる。   ・行き先までの料金も事前にわかる   「Uber」ではドライバーの名前や写真、評価なども乗車前に確認でき、気に入らなければ別のドライバーに換えるリクエストもできるようなので、「タクシー」というよりは「ハイヤー」に近いサービスと言えそうです。  

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  タクシー業界(と関係省庁)の力が強い日本では、既存のタクシー業界が同様のサービスにもっと積極的に取り組んでもらうしか望めませんが、もし「ライド・シェア」や「カープーリング」が日本でも浸透してくると、別のポイントに注目する必要が出てくると思います。   すでに身近になりつつある「カーシェアリング」が、個人所有の車にまで範囲が広がるとどうなるでしょう。   http://japan.cnet.com/sp/businesslife/35058565/   私が一つ気になるのは、こうしたサービスが広まれば広まるほど、「売れる車」はこの手のサービスに適したモデルの割合が増えるだろうし、そもそも車の販売台数も減るのではないだろうか、ということです。   世界的に見ればまだまだ個人所有&自分と家族だけが使う車というのは物凄い数になると思いますが、自動車保有にコストのかかる大都市圏や、公共交通の維持が難しくなっている過疎圏では、この手のサービスは非常に有効に機能するのではないかと思います。   車の低燃費技術が進歩してガソリンスタンドの数が減ったように、車の所有目的が減れば車の販売台数も減る。そんな時代は意外と近くに来ているのかな?なんて想像もできたりするわけです。   http://app-review.jp/news/229139   はてさて、法律や慣習の壁はこの先も安泰なのでしょうか・・・  

Koji Yamanaka