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ディーラーにできること

2015年3月30日 公開 自動車業界トピックス 
当社にはオープンカー好きが約2名ほどおります。   私は「Honda S2000」と「MINI Convertible」の所有経験があり、もう一名は「Honda Beat」「FIAT バルケッタ」「CITROEN C3 プルリエル」「Audi A4 カブリオレ」と乗り継いでます。   クルマ好きを自称する方は今や少なくなってきましたが、その中でもさらに絶滅危惧種とも言えるのが「オープンカー好き」。   四季の変化が厳しく、雨も多い日本でオープンカーを乗り続けることは結構大変です。にも拘わらず、今年は素晴らしいオープンカーのニューモデルが2台も登場します。   片や世界に誇る日本のライトウェイトオープンスポーツ、「マツダ ロードスター」。   そして、今日正式発表となった「Honda S660」です。  
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  スポーツカーという、ブランドイメージに直結しやすい車種なだけに、どちらもメーカーのアイデンティティをよく具現化したプロダクトになっており、普通車と軽自動車という違いはあれど、「親しみやすさ」「手に入れやすさ」「走りの楽しさ」「所有する悦びを感じるデザイン」などコンセプトに共通項は多々見られます。   一方で私が気になったのが、「そのクルマの魅力をどうやってアピールしているのだろうか?」という点。   Honda S660のスペシャルサイト:http://www.honda.co.jp/S660/gate/   マツダロードスターのスペシャルサイト:http://www2.mazda.co.jp/cars/roadster/pre/   どちらもプロダクトの魅力をアピールすることに力を入れています。   しかしよくよく見ていくと、アプローチの手法がちょっと違うことに気がつきます。   ホンダがとことん、プロダクトアウトの姿勢で、エンジニア目線で語りかけてきているのに対し、マツダはオーナー目線も同じくらいか、もしくはより強めに出してきているように感じます。   すでに4世代重ね、世界中に数多くのオーナーを抱えるマツダと、忘れたころに単発でぽこぽことスポーツカーを世に送り出してきたホンダの違い、とも言えるかもしれません。   どちらも正解なのでしょう。   でも、オープンカーのような趣味性の高いクルマは、そのクルマ自身の特徴に何らかの「ストーリー」が加わらないと、「名車」と言える領域にはなかなか到達しえない、と私は考えています。   ストーリーは「エンジニア」目線でも「オーナー」目線でもいいのですが、マーケティング主導の「提供された」ストーリーというのは得てして定着しないものです。   やはり、そこに「オーナー」というリアルな中身が伴わないとダメなんだろうな、と思います。   ではどうやって「オーナー」から「紡ぎだされる」ストーリーを形にしていけばいいのか?   そこに「ディーラー」「イベント」「営業マン」の担うポジションがある、と私は考えています。   「Honda S660」が今回も思い出の中だけで語られる「名車」で終わるのか。それとも「マツダ ロードスター」のように世界中からリスペクトされる現在進行形の「名車」となるのか。   「Honda S2000」オーナーとしては今後も注視していきたいと思います。  

K.Yamanaka