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もうすぐ12月。この時期の車好き同士の話題といえば、「スタッドレスにもう入れ替えた?」
最近は首都圏でも毎年のように雪の降る日があり、今年2月の大雪はまだ記憶に新しいところです。
こちらの写真は、その大雪の日の晩に、自宅マンションから見た風景です。タクシー会社に帰ろうとしている黒いタクシーですが、あと少しというところでリアタイヤがスリップして立ち往生していました。おそらく夏用タイヤのままで営業に出ていたのでしょう。交通量の多い幹線道路では走行車両によって走行路面が積雪状態でなくても、一本路地に入ればこの有様。同じような景色は首都圏のいたるところで見られました。
毎月のようにスキーに車で行く!というドライバーで無い限り、スタッドレスタイヤに必ず履き替えるという人は首都圏では少ないかもしれませんね。
そこで個人的にお薦めしたいのが、スタッドレスタイヤではなくウィンタータイヤ。
厳密には夏用タイヤに対する冬用タイヤ=ウィンタータイヤですから、スタッドレスタイヤもウィンタータイヤに含まれます。
日本では冬用タイヤ=スタッドレスタイヤというのが定着していますので、ここでは便宜上、スタッドレスではないタイプの冬用タイヤのことを「ウィンタータイヤ」と呼ぶことにします。
ウィンタータイヤとは? 一言でいえばまさしくいざという時に頼れる&雪の無い日も安心なタイヤ、といえます。
スタッドレスタイヤが細かいサイプ(溝)と柔らかいゴム素材を採用し、主に凍結路でのグリップ性能を重視しているのに対し、スノータイヤはサマータイヤとそん色ない排水性や圧雪路でのグリップ性能を重視したトレッドパターン&ゴムを採用しています。
スタッドレスタイヤは、北海道など常に路面が雪に覆われ、気温低下でどこもかしこも凍結路になってしまうような場所で最も力を発揮します。一方、乾燥路では柔らかいゴムが仇となり、ハンドリング性の悪化を招きます。(最近のモデルはかなり改善されてきています)
また、接地性を重視するため排水性能が低下し、雨天時のグリップ性能もサマータイヤに劣ります。つまり、普段積雪することがない地域で使い続けるのにはあまり適していないタイヤ、といえます。
それに対し、ウィンタータイヤは凍結路ではスタッドレスタイヤほどのグリップ性能は発揮できませんが、乾燥路でのハンドリング性能、雨天時の排水性の面でサマータイヤにそん色ない性能を発揮します。その上で、圧雪や新雪路面でも十分なグリップを発揮します。
つまり、普段は乾燥路や濡れた路面だけを走り、シーズン中1~2回だけ雪路を走る・・・そんな首都圏ドライバーにぴったりなのはスタッドレスタイヤではなく、ウィンタータイヤではないだろうか。というのが私の個人的見解です。
元々は欧州の冬の道路事情を考慮して作られたものなので、手に入れられるウィンタータイヤとしては欧州の某タイヤメーカーのものくらいしかありません。が、知名度が国産ブランドよりも低い為か、在庫を手に入れやすい印象があります。
命を預けるタイヤ選び。是非ご検討ください。
Koji Yamanaka