どれを買うべき…? 電気自動車のスペックの見方

2021年12月28日 公開 Driver's Info 

最近話題の電気自動車。今までエンジン車で言われていた燃費や航続距離は電気自動車になることでどう変わるのでしょうか。

今回のDriver’s Infoは、エンジン車のスペック表記に慣れている方にわかりやすいように、電気自動車のスペックの見方を解説します。

電気自動車のスペック表

以下はとある電気自動車のスペック表です。

これらの項目を順番に解説いたします。

スペック表.jpg

バッテリー容量

バッテリーの容量は、「kWh」という単位で表されます。

図の車の場合、62kWの電力を1時間出力することができるという意味になります。

夏場の家庭の1日の消費電力が約18kWhと言われていますので、この車のバッテリーは約3日半分の電力を持っていることになります。

今まで気になっていた燃費…じゃあ電気自動車では?

「一回の満充電で何km走るのか」は「電費」といいます。

(エンジン車では「燃費」と言っていましたね。)

1kWhを使って何km走れるのかを表しています。

EPA電費

米国環境保護庁が定めるEPAという規格は、実電費に近い結果が出ることで知られています。

他の計測方法と違い、EPA電費は充電時のロスも考慮されて算出されるので、より実電費に近い値が出るとされます。

EPA航続距離

電気自動車もエンジン車と同じく、「航続距離」でどれぐらい走るのかを見極めます。

EPA電費と同じく、EPA航続距離はより実際の航続距離に近い値が出ます。

*図の航続距離は、JC08モードからEPA電費に換算するための係数をかけて算出しているため、EPA電費とバッテリー容量から求められる数字と異なります。

この車のパワーってどれぐらいあるの?

エンジン車では、エンジンの排気量、トルク、出力などを参考にし、その車がどれだけのパワーを持っているのかを推し量っていましたよね。

電気自動車はご存知の通り、タイヤを動かす動力源はモーターですから、このモーターの出力、トルクを見ればどれぐらいのパワーを持っているのか知ることができます。

システム最大出力

システム最大出力は、その車のパワーを示す指標です。

単位がkWで、バッテリー容量と似ておりややこしいですが、

「ワット」つまり仕事率(パワー)を表しています。

1秒の間に何J(ジュール)の仕事をしたかを求めます。

ちなみに、とある2.0L NAエンジンを搭載しているスポーツカーのシステム最大出力は、おおよそ150kW前後です。

システム最大トルク

電気自動車でいうトルクとは、モーターが回転する力のことです。

瞬間的な力ですので、その車がどれぐらい加速する力があるのかを知ることができます。

電気自動車の場合、モーターの特性上、エンジン車よりもトルクが大きくなる傾向にあります。

ですから加速が力強いと感じられます。

図にはシステム最大トルク:340Nmとありますが、これは実際に運転して体感するとかなり力強い加速に感じられるでしょう。

モーターの数は1つとは限らない

エンジン車に四駆があったように、電気自動車も前後にモーターを搭載するものもあります。

多い車では3つ搭載(前:1つ、後:2つ)するものもあります。

また、ハイスペックな電気自動車には、モーターの先にトランスミッション(ギア)が組み合わされ、高速度域でもハイパフォーマンスを発揮できるようになっている車もあります。

自分の用途に見合った電気自動車を選ぼう

航続距離が気になる方は大容量バッテリー搭載モデル。

週末にワインディングに繰り出してスポーティに楽しみたい方はパフォーマンス重視モデル。

通勤や買い物など、街中での使用がメインの場合は小型EVも検討できますね。

ボディサイズも様々なため、駐車場の都合がある場合はそちらも考慮すると良いでしょう。

ライフスタイルにピッタリな車選びで、快適な電気自動車ライフを送りましょう!