日本の車のナンバープレートの仕組み(後編)
※本記事の情報は、2023年5月現在のものとなります。
※主に自動車、および軽自動車のナンバープレートについての情報です。二輪車等の解説は含まれておりません。あらかじめご了承ください。
今回のDriver's Infoでは、日本のナンバープレートについて解説していきます。 ぜひ最後までご覧ください。
前編では、ナンバープレートの色・地名についてご紹介しました。 今回は、3桁の数字、ひらがな、大きな4桁の数字について解説します。
地名の右側の3ケタの数字
ナンバープレートの地名の右側にある3桁の数字、皆さんは何かご存知ですか? 小さい数字なので、あまり気にしないかもしれませんね。
この数字は、分類番号と呼ばれるものです。数字の上1桁により、自動車の大まかな用途を表しています。
1桁目の数字で、単に「◯」ナンバーとも呼ばれます。
ここでは、主要な分類番号について簡単に解説していきます。
1ナンバー
上1桁が「1」の1ナンバーは、普通中型貨物自動車や普通大型貨物自動車に該当します。
トラックなどはもちろん、大型のSUVやピックアップトラックにも適用されます。
4ナンバー
上1桁が「4」の4ナンバーは、普通小型貨物自動車に該当します。
1ナンバーが付く車よりも小さな、軽トラックや営業用バンなどに適用されます。
3ナンバー
上1桁が「3」の3ナンバーは、乗車定員が10名以下の普通中型乗用自動車や普通大型乗用自動車に該当します。
みなさんが街でよく見かけるセダン、SUVなどほとんどの乗用車にはこの3ナンバーが付けられています。
5ナンバー
上1桁が「5」の5ナンバーは、普通小型乗用自動車や普通小型乗合自動車に該当します。
5ナンバーも街中で見かけることが多いです。
3ナンバーと5ナンバーは、どちらも乗用車に付けられるのですが、その違いは何でしょうか?
ひらがな
ナンバープレートに書いてあるひらがな。これはどのような目的で表示されているのでしょうか?
この文字は、車の用途を判別するために表示されています。
下記の通り、用途に応じて使用できるひらがな(※)が決まっています。(※アルファベットを表記する場合もあります)
自動車
- 事業用:「あいうえかきくけこを」
- 自家用:「さすせそたちつてとなにぬねのはひふほまみむめもやゆらりるろ」
- 貸渡用:「われ」
- 駐留軍人車両等:「E,H,K,M,T,Y,よ」
軽自動車
軽自動車の場合は、ひらがなの少しルールが異なります。
- 事業用:「りれ」
- 自家用:「あいうえかきくけこさすせそたちつてとなにぬねのはひふほまみむめもやゆよらるを」
- 貸渡用:「わ」
- 駐留軍人車両等:「A,B」
レンタカーで「わ」や「れ」が使われているのはご存知の方も多いと思います。 このように、自動車の用途に応じて使用可能な文字が定まっています。
使用してはいけない文字
下記の通り、使用してはいけないひらがなも指定されています。
- 「おしへゐゑん」
例えば「お」を使用していけない理由は、「あ」や「む」などと形が似ていて読み間違える可能性があるためです。
大きな4桁の数字
ナンバープレートで一番目立つのが、4桁の数字ですよね。
この数字は、一連指定番号と呼ばれます。なお、軽自動車では車両番号と呼ばれます。
一連指定番号は「・・・1」から「99-99」までの9,999通りの番号があり、番号が4桁の場合には2桁目と3桁目の間にハイフンが付きますが、2桁や3桁の場合はハイフンがつかず、空白部分に「・」が入ります。
基本的に、下2桁が「42」「49」の番号は縁起が悪いとされているため使用されません。
また、1999年には希望番号制度が導入されました。
さいごに
ナンバープレートに関して、前編・後編に渡り解説しました。いかがだったでしょうか。
何気なく見ていた数字やひらがなには、様々な情報が隠されていたことがお分かりいただけたかと思います。
次回のDriver’s Infoもお楽しみに。
日本のナンバープレートの仕組み(前編)
*本記事の情報は、2022年4月現在のものとなります。
普段街中を走っている車には、ナンバープレートが取り付けられていますよね。
当たり前のことなのであまり気にされない方が大半だと思いますが、ナンバープレートを見ることで、その車に関するいろいろな情報を知ることができます。
今回のDriver’s Infoでは、知っているようで知らない、日本のナンバープレートについて深堀りしていきます。ぜひ最後までご覧ください。
ナンバープレートの色
ナンバープレートには、いろいろな色があるのはご存じかと思います。
車によってさまざまな色がありますが、それぞれどんな車に取り付けられるのか知っていますか?
代表的なナンバープレートの色について、1つずつ見ていきましょう。
白ナンバー
まずは一番多く見る、白色のナンバー。これは、自家用普通自動車であることを示しています。
街で一番見かける、もっともポピュラーなナンバーですね。
黄色ナンバー
黄色のナンバーは、自家用軽自動車であることを表しています。
このナンバーも、白色のナンバーの次に見かけることが多いと思います。
緑ナンバー
緑色のナンバーは、事業用普通自動車を表しています。
軽自動車以外の、トラックやバス、タクシーなど、営業に使用する車両に取り付けられます。
黒ナンバー
黒字に黄文字のナンバーは、事業用軽自動車を表しています。
よく宅配便の小さなバンや、郵便局のバンに取り付けられているのを目にすると思います。
青ナンバー
青ナンバー。これはかなりレアかもしれません。
都心部などでたまに見かけることがあるこのナンバーは、外交官が利用する車を表します。
日本に駐在している外交官が利用する車両に取り付けられます。
地名
ナンバーの左側には、地名が入っていますよね。
これは、自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等を表す文字です。
東京都ですと、品川をはじめ、練馬、多摩、足立など、さまざまな地名表記が見られますよね。
1つの都道府県内でも、表示される地名には何種類かあるのです。
この地名表記は、1〜4文字となっています。
ちなみに、最も文字数が多い地名表記は、「尾張小牧」「伊勢志摩」になります。
ご当地ナンバー導入
「ご当地ナンバー」。皆さんも一度はお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
2006年10月10日より、観光振興などの観点から、ナンバープレートの地域名表示を自動車検査登録事務所に関係なく、表示できるようになりました。
ご当地ナンバーの地域名の基準は、下記の通りになっています。
- 地域特性や経済圏などに関して、他の地域と区分された一定のまとまりのある地域であり、一般に広く認知された地域であること。
- 原則として、単独の市町村ではなく、複数の市町村の集合であること。
- 当該地域において、登録されている自動車の数が10万台を超えていること。
- 対象となる地域が、当該都道府県内における他の地域名表示の対象地域と比較し、人口、登録されている自動車の数等に関して、極端な不均衡が生じないものであること。
「富士山」ナンバー導入の背景
ご当地ナンバーとして有名なものに、「富士山」ナンバーがあります。
このナンバーは、2008年11月4日より交付が開始されました。
富士山周辺地域における地域振興、観光振興や、地域の一体感などを期待し、このナンバーの導入に至ったといいます。
交付対象地域は、下記の通りです。
- 山梨県:富士吉田市、富士河口湖町、西桂町、忍野村、山中湖村、鳴沢村、道志村
- 静岡県:富士宮市、富士市、御殿場市、裾野市、小山町、芝川町
富士山がまたがっている静岡、山梨の2県の対象地域で交付されるナンバーとなっています。
県が違うのに、同じ地名のナンバーというのは面白いですよね。
実際に富士山周辺にドライブに行くと、どちらの県でも「富士山」ナンバーの車が走っているのを目にすると思います。
日本らしさが表れている、良いご当地ナンバーなのではないでしょうか。
さいごに
今回のDriver’s Info、いかがだったでしょうか。
前編では、ナンバープレートの色と地名について深掘りしました。
後編では、ナンバープレートに表示される3桁の数字、ひらがな、大きな4桁の数字について、深掘りしていきます。次回もおたのしみに!
集めてみた!「日本でいちばん」
日本でいちばん長いトンネル:山手トンネル
日本でいちばん長いトンネルは、東京都にあります。首都高速中央環状線の「山手トンネル」です。
山手トンネルは、大井JCT〜熊野町JCT間を結ぶトンネルで、長さは18,200m(約18km)もあります。
日本は山が多い国ですので、いちばん長いトンネルも山間部にあると思ったかもしれませんね。東京にあるのは少し意外ですよね。
ちなみにこの山手トンネル、世界でも2番目の長さがあるそうです。
首都圏にお住まいの方は、走行したことがあるかもしれません。
山手トンネルは目黒川、京浜運河の下も走る都合上、道路法により全区間で危険物積載車の通行ができません。ご注意ください。
日本でいちばん長い国道:国道4号線
日本でいちばん長い国道は、国道4号線で、実延長は742.5kmあります。
道路には総延長と実延長があります。
- 総延長:道路法の規定に基づき指定又は認定された路線の全延長
- 実延長:「総延長」から「重用延長」「未供用延長」「渡船延長」を除いた延長
*総延長がいちばん長い国道は、国道58号線で、鹿児島から沖縄を結ぶ道路です。海の上で実際は道路がない「渡船延長」も含んでいます。
国道4号線は、東京都の日本橋を起点とし、青森県青森市にまで至ります。
江戸時代の日光街道、奥州街道を踏襲する道筋になっていますが、各地にバイパスも多数存在します。
いつかは4号線を起点から終点まで走ってみたいですね。
日本でいちばん短い国道:国道174号線
日本でいちばん短い国道は、兵庫県神戸市にある国道174号線です。
神戸港と国道2号線を結ぶこの路線は、実延長187mしかありません。
起点から終点まで、歩きでも2分で行けると言われています。
観光ついでに見学に行ってみると面白いかもしれません。
日本でいちばん高いところを走る国道:国道292号線
渋峠の紅葉
日本でいちばん標高が高い地点を通る国道は、国道292号線です。
この国道292号線は、群馬県吾妻郡長野原町を起点とし、長野県を経て、新潟県妙高市に至る、約116kmの路線です。
最高地点は「渋峠」で、標高2,172mになります。
渋峠は冬はスキーリゾートとして有名で、多くのスキー客が訪れます。
秋には紅葉の絶景が見られる名所としても知られます。
一度は走ってみる価値がある道路ですね。
日本でいちばん大きい交差点:六丁目交差点
日本でいちばん大きい交差点は、宮城県仙台市にある「六丁目交差点(ろくちょうのめこうさてん)」です。
この交差点は先ほど紹介した国道4号線と県道23号線、137号線が交差しており、左折車線を含め、交差点内の車線数は42本にもなります。
また六丁目交差点は、宮城県内の事故ワースト1位としても有名な交差点です。
大きな道路同士が交差しているため、交通量も多く、道路周辺には工業団地や物流拠点が集まっていることから、大型車もたくさん流れ込んできます。
走行する際はくれぐれもご注意ください。
さいごに
今回のDriver’s Info、いかがだったでしょうか。
道路に関して、日本でいちばんのものを集めてみました。
気になったものがありましたら、実際にドライブしに行くのも楽しいかもしれませんね。
次回もお楽しみに。
HV?PHV?BEV?ややこしい略称を整理しよう!
最近はさまざまな方式で走行する車が登場し、しかもそれが英語の略称で呼ばれていてややこしいですよね。
そこで今回のDriver’s Infoでは、これらの略称を1つずつ解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
HV
ハイブリッドカー / Hybrid Vehicle
ハイブリッドカーは、異なる複数の動力源を搭載した自動車のことです。大抵は、エンジンと、電気モーターの2つを搭載している場合が多いです。
ハイブリッドシステムにもいろいろな種類があります。
- 走行にエンジンと電気モーター両方の動力を使うもの
- 俗にフルハイブリッドと呼ばれる方式です。エンジンと電気モーターの動力を効率よく組み合わせて走行します。
電気モーターだけ、エンジンだけでも走行可能です。日本では最もポピュラーな方式で、燃費が非常に良いのが特徴です。
- 俗にフルハイブリッドと呼ばれる方式です。エンジンと電気モーターの動力を効率よく組み合わせて走行します。
- 発電用のエンジンを搭載し、作られた電力で電気モーターを駆動して走行するもの
- 俗にシリーズハイブリッドと呼ばれる方式です。発電のためにエンジンを動かし、走行は電気モーターのみで行います。
電気モーターならではのトルクフルな加速が味わえるのも魅力です。
- 俗にシリーズハイブリッドと呼ばれる方式です。発電のためにエンジンを動かし、走行は電気モーターのみで行います。
- 発進時の一瞬だけISG(モーター機能付き発電機)が駆動し、それ以外はエンジンの動力で走行するもの
- 俗にマイルドハイブリッドと呼ばれる方式です。搭載されるISGは出力・バッテリー容量が他のハイブリッド車に比べ、
控えめになっています。あくまでISGは補助機能として搭載されており、走行の動力はは主にエンジンによって行われます。
最近の欧州車などで積極的に採用され、48Vのシステムが主流となっています。
- 俗にマイルドハイブリッドと呼ばれる方式です。搭載されるISGは出力・バッテリー容量が他のハイブリッド車に比べ、
- 減速時にISG(モーター機能付き発電機)で発電し、蓄えた電力を車内の電装品に使用するもの
- こちらもマイルドハイブリッドと呼ばれる方式です。先ほどのマイルドハイブリッドと大きく違うのは、ISGは走行に関与しないことです。ISGによって減速時のエネルギーを電気に変換し、その電気を蓄え、カーナビやオーディオなどの機器に供給します。主に日本の軽自動車などで採用されることが多い方式です。
このように、エンジンと電気モーターの利点を組み合わせることで、低燃費と低公害を実現しています。
PHEV・PHV
プラグインハイブリッドカー / Plug-in Hybrid Vehicle
プラグインハイブリッドカーは、外部電源から充電することができるフルハイブリッドカーです。
基本的な仕組みは通常のフルハイブリッドカーと変わりませんが、プラグインハイブリッドカーは比較的容量の大きいバッテリーを搭載しています。
そのため、電気モーターだけでかなりの距離を走行できる上、電気がなくなったらエンジンの動力を使って走行することもできます。
BEV
バッテリー式電気自動車 / Battery Electric Vehicle
BEV(バッテリー式電気自動車)は、ピュアEVとも呼ばれ、いわゆる「電気自動車」のことを指します。
走行には電気モーターのみを使い、ハイブリッドカーとは比べ物にならないくらい大容量のバッテリーを搭載しています。その分、充電にも時間がかかってしまうのがデメリットです。
電気モーターのみで走行するため、エンジン特有の変速もなく、スムーズで流れるような加速が魅力的です。発進時の瞬間トルクはガソリン車のスーパーカー並です。ぜひ味わってみてくださいね。
減速時には回生ブレーキといって、電気モーターが発電する際の抵抗を使い、車両を減速させる機能も備わっています。(フルハイブリッドカーにも搭載される場合があります)
現在、日本国内では充電設備のインフラがまだ不十分ですので、今後それらが整備されることで国内のBEVユーザーも増えてくると予想されます。
ちなみにバッテリーの中身は、現在リチウムイオン電池が一般的です。将来はより充電が速く、エネルギー密度が高いとされる全個体電池に置き換わるとも言われており、今後のバッテリー事情にも目が離せません。
FCV
燃料電池車 / Fuel Cell Vehicle
燃料電池車は、水素を燃料とします。水素を酸素で化学反応を起こさせ、電気を作り出し、その電力で電気モーターを駆動させて走行するシステムです。
化学反応の結果、電気と水が発生します。車の外には水しか放出されませんので、究極のエコカーと世界中から注目されています。
国内では水素ステーションがまだ多いとは言えず、今後の普及活動に注目です。
あとがき
今回はややこしい略称を1つずつ解説いたしました。いかがだったでしょうか。
ハイブリッドカーの中でもさまざまな方式があり、名前だけではどんな特徴があるのかイメージしにくいですよね。
今後もDriver’s Infoではドライバーの皆さんのお役にたてるよう、自動車関連のさまざまな話題を取り上げて参ります。次回もお楽しみに。
どれを買うべき…? 電気自動車のスペックの見方
最近話題の電気自動車。今までエンジン車で言われていた燃費や航続距離は電気自動車になることでどう変わるのでしょうか。
今回のDriver’s Infoは、エンジン車のスペック表記に慣れている方にわかりやすいように、電気自動車のスペックの見方を解説します。
電気自動車のスペック表
以下はとある電気自動車のスペック表です。
これらの項目を順番に解説いたします。
バッテリー容量
バッテリーの容量は、「kWh」という単位で表されます。
図の車の場合、62kWの電力を1時間出力することができるという意味になります。
夏場の家庭の1日の消費電力が約18kWhと言われていますので、この車のバッテリーは約3日半分の電力を持っていることになります。
今まで気になっていた燃費…じゃあ電気自動車では?
「一回の満充電で何km走るのか」は「電費」といいます。
(エンジン車では「燃費」と言っていましたね。)
1kWhを使って何km走れるのかを表しています。
EPA電費
米国環境保護庁が定めるEPAという規格は、実電費に近い結果が出ることで知られています。
他の計測方法と違い、EPA電費は充電時のロスも考慮されて算出されるので、より実電費に近い値が出るとされます。
EPA航続距離
電気自動車もエンジン車と同じく、「航続距離」でどれぐらい走るのかを見極めます。
EPA電費と同じく、EPA航続距離はより実際の航続距離に近い値が出ます。
*図の航続距離は、JC08モードからEPA電費に換算するための係数をかけて算出しているため、EPA電費とバッテリー容量から求められる数字と異なります。
この車のパワーってどれぐらいあるの?
エンジン車では、エンジンの排気量、トルク、出力などを参考にし、その車がどれだけのパワーを持っているのかを推し量っていましたよね。
電気自動車はご存知の通り、タイヤを動かす動力源はモーターですから、このモーターの出力、トルクを見ればどれぐらいのパワーを持っているのか知ることができます。
システム最大出力
システム最大出力は、その車のパワーを示す指標です。
単位がkWで、バッテリー容量と似ておりややこしいですが、
「ワット」つまり仕事率(パワー)を表しています。
1秒の間に何J(ジュール)の仕事をしたかを求めます。
ちなみに、とある2.0L NAエンジンを搭載しているスポーツカーのシステム最大出力は、おおよそ150kW前後です。
システム最大トルク
電気自動車でいうトルクとは、モーターが回転する力のことです。
瞬間的な力ですので、その車がどれぐらい加速する力があるのかを知ることができます。
電気自動車の場合、モーターの特性上、エンジン車よりもトルクが大きくなる傾向にあります。
ですから加速が力強いと感じられます。
図にはシステム最大トルク:340Nmとありますが、これは実際に運転して体感するとかなり力強い加速に感じられるでしょう。
モーターの数は1つとは限らない
エンジン車に四駆があったように、電気自動車も前後にモーターを搭載するものもあります。
多い車では3つ搭載(前:1つ、後:2つ)するものもあります。
また、ハイスペックな電気自動車には、モーターの先にトランスミッション(ギア)が組み合わされ、高速度域でもハイパフォーマンスを発揮できるようになっている車もあります。
自分の用途に見合った電気自動車を選ぼう
航続距離が気になる方は大容量バッテリー搭載モデル。
週末にワインディングに繰り出してスポーティに楽しみたい方はパフォーマンス重視モデル。
通勤や買い物など、街中での使用がメインの場合は小型EVも検討できますね。
ボディサイズも様々なため、駐車場の都合がある場合はそちらも考慮すると良いでしょう。
ライフスタイルにピッタリな車選びで、快適な電気自動車ライフを送りましょう!
楽しいお出かけの足手まとい…渋滞のメカニズムを知ろう
車で出かけた際、誰しもが渋滞にはまったことがあるのではないでしょうか。
「渋滞のせいで大事な予定に間に合わない」
「トイレに行きたいのに次のサービスエリアまでかなりの時間がかかりそう」
思い通りの行動ができず、ストレスの原因になりますよね。そんな渋滞はどうして起こるのでしょうか。
今回のDriver’s Infoは、渋滞のメカニズムを解説いたします。手軽に実行できる渋滞対策もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
毎回同じ場所で渋滞する・・・
ラジオなどで流れる渋滞情報を聴いていると、毎回同じ場所の地名を先頭に渋滞が発生していることが多いですよね。 毎回渋滞するということは、何か原因があるのではないでしょうか。
そこで、休日の夕方に大渋滞することで有名な「中央自動車道 小仏トンネル」を例にあげてみます。
このトンネルは、東京都と神奈川県の県境にあり、トンネルの上には高尾山からほど近い、標高670mの「小仏城山(こぼとけしろやま)」がそびえる山の中にあります。
ちょうどこのトンネルが、この付近で一番標高が高い地点となっています。
山梨側から東京方面へ向かう車は、相模湖東ICを過ぎたあたりから徐々に上り勾配に差し掛かります。小仏トンネルへ向けて長い上り坂のはじまりです。
小仏トンネルの渋滞、主な要因は坂にあり
小仏トンネル付近の坂の様子を簡単な図に表しました。中央自動車道を南側から見ています。
相模湖から小仏トンネルにかけて、一旦下り坂を下ってから、長い上り坂に入ります。この下り坂から上り坂に移行するポイントを、専門用語で「サグ部」といいます。
トンネル手前の上り坂に注目してください。この上り坂こそが、小仏トンネル渋滞の根本的な要因なのです。
ではなぜ、上り坂が要因で渋滞になってしまうのでしょうか。
緩やかな上り坂にドライバーは気づかず・・・
一定速度で走ろうと思った場合、上り坂に差し掛かると、ドライバーはそれまでよりもアクセルをより踏み込む必要があります。
しかし上り坂に気づいていない場合、無意識のうちに速度が低下してしまいます。
最近はクルーズコントロールがついている車が多いですが、それでもなお、アクセルをドライバーが自ら操作している場合、上記のように速度が低下してしまいます。
小仏トンネルの手前は、先述の通り長い上り坂になっています。無意識のうちに車の速度が低下してしまう区間です。
先頭の車の速度が低下すると、その後ろの車も速度を緩める必要があります。
そのまた後ろの車も速度を緩め、そのまた後ろの車、、、と連鎖的に速度を落とすこととなり、最終的にはブレーキを踏む必要が出てきます。
このようにして小仏トンネルの渋滞は発生していたのです。
上り坂で速度が落ちることが要因で起きるこのような渋滞は、最も代表的な事例です。
坂だけじゃない、小仏トンネルが渋滞する複合的な要因
小仏トンネル手前の上り坂は3車線になっており、一番左側は登坂車線となっています。
しかし、この登坂車線はトンネルの手前で消滅します。
小仏トンネル手前、登坂車線が消滅する地点。
この登坂車線から真ん中の走行車線に車が移動するため、それまで走行車線を走っていた車は余計にブレーキを踏む必要が出てきます。
そして、真ん中の走行車線から追越車線へ移動する車も出てきます。
その結果、スムーズな流れが阻害され、より渋滞が悪化するのです。このように、渋滞は複数の要因が折り混ざって発生する場合もあります。
上り坂の他に渋滞が起こりやすいところ
- 高速道路と一般道の接続道路
- インターチェンジ・料金所
- 工事や交通事故による車線規制箇所
上記の箇所では、車のスムーズな流れが妨げられるため、渋滞になってしまいがちです。
工事や交通事故のような不定期に発生する要因に関しては予測が難しいため、ラジオやETC2.0などの車載装置を使った事前の情報収集が大事になります。
渋滞しやすい時間帯は?
朝と夕方が最も渋滞が発生しやすいとされています。
渋滞を避けたい場合は、この時間帯を回避して行動することが重要です。
特に休日の朝や夕方は交通が集中しますので、計画的なドライブを心がけましょう。
後続車のためにできる、渋滞対策
「渋滞吸収走行」という言葉をご存知でしょうか。
ここでは、2009年に中央自動車道の小仏トンネル付近で行われた、渋滞解消のための実験をご紹介します。
この実験は渋滞学に基づき、実際の渋滞の中で行われました。
上の図で、赤く囲ってある車が渋滞吸収車です。
どちらの吸収車も、前の車との車間が空いているのがわかると思います。
渋滞時、前の車が停止したら自分の車もブレーキを踏んで完全に停止し、前の車が発進したら自分の車もアクセルを踏んで発進しますよね。
しかし、この一度完全に停止するという動きが、後続の渋滞をさらに悪化させることになります。
そこで、後続の渋滞を緩和する目的で、渋滞吸収走行が効果的になります。
渋滞吸収走行のポイント
- 渋滞に近づいてきたら速度落とし、極力渋滞の中へ入る時間を遅らせる
- 渋滞に入ったら、十分な車間距離を取り、なるべくブレーキを踏まずに低速で走行する
- 前方の車が加速し始めたら(渋滞を抜け始めたら)それについていく
たとえ前の車との間に他の車線から割り込まれたとしても、速度を調節し、なるべく完全停止せずに車間を保ち続けることが重要です。
渋滞のメカニズムを知り、快適なドライブを
今回のDriver’s Info、いかがだったでしょうか。渋滞のメカニズムを知っていただければ幸いです。
また、渋滞が発生しやすい箇所・時間帯を予め避けてドライブすることで、より快適にドライブを楽しんでいただけるのではないでしょうか。