Koji Yamanaka
久々のブログが悲しいニュースネタでちょっと落ち込み気味のYamanakaです。こんにちわ。   さて、既に正式リリースも発表となり、周知の事実となったFord(フォード)の日本撤退。   以前の私のブログ(「たかがシェア。されどシェア。」)にもあるように、フォードの日本におけるマーケットシェアは長く「生存を許されない」レベルでした。   「果たしてそんな市場に留まり続ける必要性はあるの?将来の成長見込みがあるならまだしも」といった厳しい指摘がフォード本社の役員会や株主総会の場で出たことは想像に難くありません。   ただ、「生存を許されない」レベルなのはフォードに限った話ではなく、輸入車全てがそのレベルに達しているのは、すでにご紹介したとおりです。   それでも日本に留まり続けるブランドは、どうしてそう判断しているのでしょうか。   今後、何らかの抜本的な対策(移民受け入れなど)が採られない限り、日本は人口減少と高齢化に拍車がかかり、パイの大きさとしての市場は縮小していくことが避けられません。   ただでさえ少ない販売台数がさらに減るかもしれない、そう考えるのが普通だと思います。   こんな見方もできるかもしれません。   人口減少と高齢化で富の集中が起こり、所得格差も広がる(=中間層が減る、あるいは消滅する)。   そうなると低所得者層はクルマの保有を諦め、カーシェアリングの利用が拡大。高所得者層の購買意欲はさらに増す、というものです。   メルセデスベンツやBMWは、高所得者層に受ける商品とブランドを持っています。台数を無理に追わなくても、高付加商品で十分な収益をあげることができるでしょう。   自動車というのは、車両を販売して終わりのビジネスモデルではありません。   整備や点検、用品購入などカーライフの過程で何かと商売する機会の多い商品です。   それらサービスを提供するには巨額の投資(ディーラー網など)が必要ですが、ターゲット顧客層が大都市部に集中するブランドであれば、それほど問題にはならないでしょう。   一方、フォードは中間層向けの商品を中心としたブランドです。幾ら自動車マニア受けするニッチモデルや、運転する楽しさに溢れたモデルを持っていても、それを買ってくれるお客さんの数は、全体から見れば本当にごくわずかです。   本来、数を追わなければならないのに、投資不足からディーラー網が増えず、それがさらに販売台数縮小につながるという悪循環から抜け出せずにいました。   彼らの商品ラインアップ自体が、新興国などの成長市場向けと言えるのだとしたら、日本から撤退するのは間違った判断ではないのかな、と思えます。   自動車好きとしては、フォード車のここ数年の進化ぶりを見てきただけに、日本で気軽に手に入れることができなくなる&維持し続けるのがさらに大変になるというのは至極残念なことです。   拙稿:「慣性を制するもの路を征す」 VividCar.com 拙稿:ライバル紹介 フォードマスタング VividCar.com   (いずれもちょっと古い話ですが・・・)     またいつの日か、フォードが日本に再参入する日が来ることを強く願っています。   05

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長らく交渉が続いていたTPP=環太平洋パートナーシップ協定について、参加国の閣僚会合で大筋合意したとのニュースが流れました。   TPPというと「国内の農業が壊滅する!」といったセンセーショナルな見出しが躍りがちですが、ここは当社らしく自動車分野について少し見てみることにします。   合意内容の概要はこちらのサイトでご確認いただけます。   『TPP合意内容 自動車の原産地規則の割合55%』   大筋合意といっても、詳細決定にはこれから気の遠くなるような各国の調整が必要であり、さらに参加国の議会が承認しなければ発効しません。なので今後も実態は大きく変わる可能性があることを頭の片隅に置いておくことにします。     さて、自動車の貿易と聞くと、私のような40代以上の方は日米貿易摩擦の歴史を思い出さずにはいられません。それだけ完成車の輸出入に目が行きがちなのですが、今回の大筋合意のポイントは完成車よりも部品にあるように見えます。   もちろん、カナダやベトナムへの完成車輸出にかかる関税が5年から10年で撤廃されるという項目もあります。しかし最大市場のアメリカでは今後25年も(徐々に減りはしますが)関税が残ることになりました。   しかし、ご存じのように今や車は現地もしくは現地近くで生産する体制が広く定着しています。   北米であれば北米自由貿易協定の恩恵をうけて、メキシコやカナダが自動車生産地としての地位を築いています。   こうした北米の組み立て工場に日本から多くの自動車部品が輸出されており、これまでは2.5%の関税が掛けられていました。   一方、エンジンなど北米の部品メーカーと競合しやすいパーツを除き、金額ベースにして約8割の品目で”即時”関税が撤廃されます。これは現地生産工場を持つトヨタやホンダにはただちに追い風となるでしょう。   また、ようやくメキシコに生産拠点を設けたマツダにとってもグッドニュースですが、さらなる生産拡大が求められる事態となった場合、北米のトヨタの工場にマツダ車の生産を委託する、なんてニュースも今後飛び込んでくるかもしれません。   (ちなみにメキシコは欧州とも自由貿易協定を結んでおり、メキシコ経由で欧州に完成車を輸出すると関税がかからないメリットも)     もうひとつ注目したいのが、「自動車の原産地規則」と呼ばれるものです。   一般の人にはなじみの薄い言葉ですが、これは「完成車の元となった部品がいったいどこの国で作られたのか、その割合をきちんと見ましょう」というものです。   自動車というのはすそ野が広い産業であり、部品を生産する中小企業をきちんと育てたい、という思惑が各国にはあります。   そこで、TPP参加国以外の国で生産された部品を沢山作っている車には、従来通り関税をかけますよ、というルールが今回も取り上げられています。   例えば先に挙げたメキシコやカナダでは、すでに北米自由貿易圏を築いている域内で生産された部品の利用割合が70%を超えており、この数値を下げて現在の優位を低下させたくないと考えていました。   一方、韓国やタイなどTPPに参加していない国で生産されている部品を多く使用している日本としては、この割合を現在の40%に近い数字にして現在の生産体制のままTPP圏内への完成車輸出を増やしたいと考えていました。   結局55%という両社の間をとった数値で合意しましたが、日本にとっては今後、部品生産国を国内やTPP参加国に変えていく努力が必要となってきます。   自分達の部品調達先をどうするのか。TPP圏外からの部品調達が多い自動車メーカーが、TPP圏内で部品を生産している部品メーカーに調達先を変更する動きが出てくるかもしれません。   このように、TPP大筋合意は日本の自動車産業にとっては良い影響のものが多く見られますが、その恩恵を十分に受ける為の変化は決して小さくないかもしれない。今回の合意内容を見ての私の感想です。  

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私は仕事柄だけでなく、自動車好きという嗜好もあってか毎月発表される自動車販売実績の統計発表を見るのが好きです。   勢いのあるブランド、落ちしまった車種などの推移を見て、その要因や背景を推論するのがとても楽しく感じられます。   例えば輸入車業界でいえば、「今年ついにフォルクスワーゲンの連続一位が途切れてしまうのか?」といった表面的な話題だけでなく、「それだけの販売台数を支えるメルセデスベンツの販売体制の強化はどのように築かれたのだろう?」なんてことを考えたりします。   さて、こうした統計と切って切れないのが、「シェア」と呼ばれる市場占有率です。   市場シェアというは数ある指標のうちの1つでしかありませんが、無視することのできない非常に重要な指標と言われています。   シェアはその企業やブランドの市場におけるポジションを明確にしてくれます。すなわち、市場に対する影響力を測ることができます。そして、シェアの推移は市場の将来像を導いてくれます。   つまり、日々競争が行われいる市場においてシェアを正しく知ることは、その企業やブランドが採るべき戦略を決める上で非常に重要な示唆を与えてくれるのです。   (より正確を期すならば、市場の大きさと成長性についても同時に知る必要があります)  

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  さて、ではシェアというのはとにかく大きな数字であればそれでいいのでしょうか。   2015年1-6月の輸入車販売台数ランキングを見てみましょう。  

  ついにフォルクスワーゲンを抑えて上半期一位を獲得したメルセデスベンツの、「輸入車市場」におけるシェアは22.7%です。さらにBMWまでの上位3ブランドのシェアは59%、BMW MINIまでを含むドイツ系5ブランドの同シェアは、実に77.1%にもなります。   これらの数字になにか意味を持たせることができるでしょうか?   ここで登場するのが、アメリカの数学者、B.O.クープマンによって導き出された市場シェア理論です。   これによると、シェアには6つの意味のある目標値が存在するそうです。
 
 
  • 独占的市場シェア:73.9%  「独占的寡占型」と呼ばれ、首位が絶対安全かつ優位独占の状態となる
     
  • 安定的トップシェア:41.7%  実質的に3社以上の争いの場合、41.7%以上のシェアを取れば業界における強者となり、安定した地位を確保できる
     
  • 市場影響シェア:26.1%   この値を上回ると、激戦の競争状況から一歩抜け出した状態となる。市場における優劣を決める境界線。少数による寡占状態ではない市場では、一般にはこのレベルが業界トップであることが多く、シェア2位であったとしても、市場に影響力をもつことが可能となる
     
  • 並列的競争シェア:19.3%  複数企業で拮抗している競争状態の時に多いシェアで、安定的トップの地位をどの企業も得られていない状況。この場合は、市場影響シェアである26.1%を獲得することが各企業の目標となる
     
  • 市場認知シェア:10.9%  生活者において純粋想起がなされるレベルのシェア。そのブランドや商品に対する認知がその市場で認められたともいえる
     
  • 市場存在シェア:6.8%  生活者において、助成想起が可能なレベルです。市場において、かろうじて存在が許されるレベル
     
  さて、改めて先ほどのランキングを見てみましょう。   メルセデスベンツとフォルクスワーゲンは、現在市場影響シェアと並列的競争シェアの間にいます。多くのブランドが競合する輸入車市場において、この数値はまだ安定的なトップとは言えないと分析されます。   両ブランドの今後採るべき目標は、26.1%を如何にして獲得するのか?という点になるでしょう。   一方で上位3ブランドのシェアは、安定的トップシェアを獲得しています。彼らは単独では市場影響シェアの獲得を目指して激しい競争状態にはありますが、4位以下のブランド群に対してはすでに強者のポジションを獲得しており、下位のブランド群に対抗することに力を注ぐ必要はあまり無い、と診ることもできます。   さらにドイツ系上位5ブランドのシェアは独占的市場シェアにまで到達します。この状態を崩すことは、よっぽどのパラダイムシフトや市場の混乱でも起きないかぎり、覆すことは難しい、と言えます。   こうしてクープマンの理論に当てはめてみると、上位のドイツブランドと、下位のイタリアやフランス、アメリカのブランドが採るべき目標や戦略は自ずとことなるものになる、というのも頷けるのではないでしょうか。  

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  と、ここで終わってしまうかといえばさに非ず。もう少し俯瞰する位置に視点を動かしてみましょう。   そう、輸入車はそれだけで完結する市場ではありません。日本では国産車とも競合しています。  

  輸入車が日本の新車市場におけるシェアは、なんとたったの6.4%。商用車を含めた場合は5.4%。軽を除いても10%ほどの数値にしかなりません。   これはクープマンの理論に当てはめると、ようやく市場に認知されるか、ギリギリ存在が許される程度のものでしかない、と言えます。   輸入車の各ブランドは、「輸入車市場」という非常に小さい枠の中で自身の立ち位置を見極め、目標を決めるだけでなく、「日本の新車市場」の中でも同様の戦略を立てていかなくてはなりません。   フォルクスワーゲンが軽自動車よりも価格の安い「up!」を販売したり、メルセデスベンツが低価格の「Aクラス」を販売したり、BMWがFFのミニバンの「グランツアラー」を販売する。   シェアのお話を知る前と知った後でこうしたトピックに触れると、インポーターの思惑や苦悩の一部が少し見えてくる気がしませんか?   数字から始まる推理ゲーム。面白いでしょ?  

Koji Yamanaka

 
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最近よく目にするようになった、自動車に関する専門用語といえば皆さん何を思い浮かべるでしょうか。   スバルの「アイサイト」に代表される、カメラやレーダーを用いた衝突被害軽減自動ブレーキや前走車追随型オートクルーズなどの機能群にはまだぴったりの名称が無く、あえて呼称するなら「プリクラッシュセーフティシステム」と言えばいいでしょうか。   さらに今後日本でも増えてきそうな新しい専門用語があります。それは「テレマティクス」。   「テレマティクス(Telematics) 」とは、テレコミュニケーション(Telecommunication 通信)とインフォマティクス(Informatics 情報工学)から作られた造語で、移動体すなわちクルマに携帯電話などの移動体通信システムを利用してサービスを提供することの総称のこと。   概念自体はかなり昔から提示されていましたが、携帯電話の通信ネットワークの普及と通信速度&費用面での改善から普及が徐々に進みつつあります。   例えば、トラックやタクシーなどの輸送用車両と通信し、車両位置や運行を管理する仕組み。   他には、「故障診断をリモートで行う」「事故の際の緊急通報をサポートする」「愛車盗難時に愛車位置を探したりエンジンが始動できなくする」「愛車位置に合わせたコールセンターによるナビゲーション設定、施設予約」などが高級ブランド車に既に導入されています。   大衆車に乗っている自分には関係ない話・・・と思いきや、実はフツーのクルマにも身近な「テレマティクス」がすでに登場していました。   「やさしい運転キャッシュバック型自動車保険」 http://www.sonysonpo.co.jp/auto/cashback/     一般的には「テレマティクス保険」と呼ばれる自動車保険です。欧米ではかなり導入が進んでいましたが、日本でもソニー損保が今年2月に発表、導入されました。   仕組みは簡単です。愛車にクルマの動きを記録する機器を取り付け、急加速や急ブレーキといった運転操作の荒っぽさを記録します。   その記録結果を元に、安全運転を行っているドライバー(=事故を起こしにくい)の保険料を安く、そうでないドライバーの保険料は高くしよう、という考え方が導入されています。   ソニー損保が提供するテレマティクス保険は、設置した機器と保険会社との間での通信が行われず、ドライバーによる申告操作が必要です。そのため、厳密にはテレマティクスとは言えませんが、将来的には通信と融合させたリアルタイム計測も可能になるのではないでしょうか。   また、すでにカーナビゲーションシステムやドライブレコーダーのように、クルマの挙動や位置情報を記録する機械の普及率はかなり高くなっています。あとはこれら機器にテレマティクスとして必要な機能(通信、送受信、記録など)を付加すれば、案外簡単にテレマティクス機器への変わります。   今は個人情報保護の観点でどのメーカーも普及には足踏み状態のようですが、経済的メリットや事故に関するより正確な記録の収集、そしてなにより安全運転するドライバー増加への効果を考えれば、今後普及していくことが望ましいのではないでしょうか。   また、そうした記録が車自体にも残るようになれば、中古車取引の面でも信頼性が高まります。   というわけで、私もソニー損保の30日間無料トライアルに応募してみました。 どのような評価結果が出るのかは、本ブログでも報告していきたいと思います!

K.Yamanaka

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スバルのアイサイトをきっかけに、すっかり日本でもポピュラーな存在となった「自動衝突回避技術」。   競合他社が同様の機能を様々な方式で導入していますが、今や焦点は「自動運転技術」へとシフトしつつあります。   タイヤの回転をセンシングしてブレーキロックを防止するABSの技術が、ESCなどのスタビリティコントロール技術へと繋がっていったように、車の周囲を監視して駐車をサポートする超音波センサー、カメラ機能が自動駐車技術へと進化。   また、衝突回避のためのレーダーやカメラは、前方を走る車に追随して走行するアダプティブクルーズコントロールやヘッドライトのハイビーム自動制御へと応用されています。   これらセンシング機能の発展に、アクセル/ブレーキやステアリング操作を機械ではなく電気的に検知してモーターやアクチュエーターがコントロールするドライブバイヤイヤやブレーキバイワイヤの技術が加わり、いよいよ自動運転の世界が見えてきました。   自動運転そのものは、法律(事故が起きたとき、誰の責任になるのか?)や受け皿となる社会の側の問題が依然としてありますが、極低速で走行する自動駐車や、交通環境が限定的で歩行者などの外因の恐れが少ない高速道路での自動走行・追従走行は、そう遠くないうちに当たり前になってくるかもしれません。     自動運転について、興味深い調査報告が欧州の部品メーカーから出ていました。    「2020年の世界の自動車のイメージ」をテーマにしたドライバーの意識調査 (コンチネンタル・オートモーティブ社)    同内容を報じる「Car Watch」サイトの記事   日本では、欧米や中国と比べて   ・自動車保有に対する欲求が低い ・保有するにしても小型で安価な車を好む   という嗜好が提示されました。その遠因は様々と思いますが、   ・道路環境の整備が不十分 ・人口が集中する都市部では交通量が多く、慢性的な渋滞が発生しやすい ・自動車の保有や走行にコストがかかる(各種税金)   といった辺りが大きいと思われます。   結果、日本のドライバーたちは車を運転することに多くのストレスを感じることになっている、とこのレポートでは説明しています。  

012 (出展:Car Watch  http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150520_702761.html)

  まさに自動運転はこうしたストレスからドライバーを解放するものであり、運転そのものを楽しむことが少ない日本こそ、自動運転にうってつけな環境が整っている、と言いたいようです。   確かにトラックによる物流がいきわたり、地方では公共交通のサービス維持に苦労し、少子高齢化でトラックやバスの運転手確保に苦労している今の日本において、自動運転技術の導入はメリットが多いと言えるのではないでしょうか。  
  一方、自動運転が普及することはまさにパラダイムシフトとも言える大きな変化を社会にもたらすことが別の記事で提示されていたのを見つけました。  

 自動運転車で失業するのは運転手だけ、と思うのは甘い(GIZMODO)

  もし車が完全に自動運転できる世界が来たら。   保有すること自体を目的(=ステータス、趣味)としたごく一部の車を除き、全てのクルマは社会の共有インフラになってしまう、という予測が提示されています。   鉄道やバスのように駅や停留所まで行かなくても、ドアtoドアで人や荷物を運んでくれる自動運転車のサービスが登場すれば、高い維持費や初期投資をしてまで車を保有したいと思う人は(そのコストに見合う所有理由や意欲がある人を除き)いなくなるでしょう。   ますます都市部に人口が集中する中で、その都市に占める道路や駐車場のスペースは有限です。いずれ車の保有台数にはリミットがかけられます。香港など国土の狭い国や都市では、ナンバープレートに高い税金をかけて車の保有を制限する仕組みがすでにあります。自動運転技術は、そうした動きにさらに拍車をかけるでしょう。   そこで問題となるのが、「自動車を沢山作って沢山売る」ことで利益を出している自動車メーカーの立ち位置です。   総数としての自動車の台数は減るわけですから、彼らのビジネスモデルはいずれ破たんします。最初は安全のため、商品としての魅力向上の為の自動運転技術や機能が、回り回って自分の首を絞めることになる・・・   必ずこうなるとは言えませんし、世界的に見れば自動運転技術にそぐわない道路や国の方が多いわけですが、主要マーケットである先進国や新興国は急速に自動運転技術を持った車が普及することになるでしょうから、早い遅いの程度の差こそあれ、未来図はほぼ固まっているような気がします。    「車は所有しなくても、使うときだけその時間を買えばいい」   機械化やIT化が労働集約型産業の飛躍的な効率化を促したように、自動車の個人(法人)所有が当たり前であることを前提とした様々な産業は、こうした変化への備えをそろそろ考え始めてもいいのかもしれません。  

Koji Yamanaka

 
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当社にはオープンカー好きが約2名ほどおります。   私は「Honda S2000」と「MINI Convertible」の所有経験があり、もう一名は「Honda Beat」「FIAT バルケッタ」「CITROEN C3 プルリエル」「Audi A4 カブリオレ」と乗り継いでます。   クルマ好きを自称する方は今や少なくなってきましたが、その中でもさらに絶滅危惧種とも言えるのが「オープンカー好き」。   四季の変化が厳しく、雨も多い日本でオープンカーを乗り続けることは結構大変です。にも拘わらず、今年は素晴らしいオープンカーのニューモデルが2台も登場します。   片や世界に誇る日本のライトウェイトオープンスポーツ、「マツダ ロードスター」。   そして、今日正式発表となった「Honda S660」です。  
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  スポーツカーという、ブランドイメージに直結しやすい車種なだけに、どちらもメーカーのアイデンティティをよく具現化したプロダクトになっており、普通車と軽自動車という違いはあれど、「親しみやすさ」「手に入れやすさ」「走りの楽しさ」「所有する悦びを感じるデザイン」などコンセプトに共通項は多々見られます。   一方で私が気になったのが、「そのクルマの魅力をどうやってアピールしているのだろうか?」という点。   Honda S660のスペシャルサイト:http://www.honda.co.jp/S660/gate/   マツダロードスターのスペシャルサイト:http://www2.mazda.co.jp/cars/roadster/pre/   どちらもプロダクトの魅力をアピールすることに力を入れています。   しかしよくよく見ていくと、アプローチの手法がちょっと違うことに気がつきます。   ホンダがとことん、プロダクトアウトの姿勢で、エンジニア目線で語りかけてきているのに対し、マツダはオーナー目線も同じくらいか、もしくはより強めに出してきているように感じます。   すでに4世代重ね、世界中に数多くのオーナーを抱えるマツダと、忘れたころに単発でぽこぽことスポーツカーを世に送り出してきたホンダの違い、とも言えるかもしれません。   どちらも正解なのでしょう。   でも、オープンカーのような趣味性の高いクルマは、そのクルマ自身の特徴に何らかの「ストーリー」が加わらないと、「名車」と言える領域にはなかなか到達しえない、と私は考えています。   ストーリーは「エンジニア」目線でも「オーナー」目線でもいいのですが、マーケティング主導の「提供された」ストーリーというのは得てして定着しないものです。   やはり、そこに「オーナー」というリアルな中身が伴わないとダメなんだろうな、と思います。   ではどうやって「オーナー」から「紡ぎだされる」ストーリーを形にしていけばいいのか?   そこに「ディーラー」「イベント」「営業マン」の担うポジションがある、と私は考えています。   「Honda S660」が今回も思い出の中だけで語られる「名車」で終わるのか。それとも「マツダ ロードスター」のように世界中からリスペクトされる現在進行形の「名車」となるのか。   「Honda S2000」オーナーとしては今後も注視していきたいと思います。  

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Koji Yamanaka
突然ですが、「UBER」というサービスをご存じでしょうか。   2013年には東京でもサービスが開始されていたようなのですが、恥ずかしながら、私は今年になるまで知りませんでした。   https://www.uber.com/cities/tokyo   01   http://liginc.co.jp/omoshiro/try/62865   簡単に説明すると、ハイヤーのサービスをWeb&GPSの力でより簡単に利用できるようにしたもの。   発祥の地であるアメリカでは、ライド・シェアと呼ばれるように普通の人が自家用車を使ってドライバーになり、Webを介してお客を取って目的地まで届けてくれる、というものです。   日本で同じことをやると、いわゆる白タク行為になっちゃうでしょうね。個人が事業者&営業エリアの事前登録を予めやろうとしても、審査が通るとはとても思えないので、アメリカとは異なる形態=タクシー配車アプリに近い形になっているんだと思います。   http://japantaxi.jp/ http://www.ainoriya.net/   「安全」や「補償」の問題に敏感なお国柄だけに、いざ事故やトラブルが起きたときの体制に不安が残る「Uber」のライド・シェアの仕組みは、この先も定着することは難しそうです。(ドライバーには二種免許も必要ですしね)   以下はタクシー配車アプリでも実現されていますので、一度利用するとその便利さに驚くかもしれません。 ・専用アプリをインストールし、クレジットカードを予め登録しておくことで決済もアプリ内で済ませられる → 今やタクシーでもクレジットカード決済できる車両が増えましたが、それでも降車時に時間がかかったり、乗車前にクレジットカードが使えるか確認する手間がかかっています。   ・自分のいる場所へと向かってくる車の位置情報もアプリ上で確認できる → タクシーがいつやってくるのかと寒空や雨に打たれながら待つ必要が無くなる。   ・行き先までの料金も事前にわかる   「Uber」ではドライバーの名前や写真、評価なども乗車前に確認でき、気に入らなければ別のドライバーに換えるリクエストもできるようなので、「タクシー」というよりは「ハイヤー」に近いサービスと言えそうです。  

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  タクシー業界(と関係省庁)の力が強い日本では、既存のタクシー業界が同様のサービスにもっと積極的に取り組んでもらうしか望めませんが、もし「ライド・シェア」や「カープーリング」が日本でも浸透してくると、別のポイントに注目する必要が出てくると思います。   すでに身近になりつつある「カーシェアリング」が、個人所有の車にまで範囲が広がるとどうなるでしょう。   http://japan.cnet.com/sp/businesslife/35058565/   私が一つ気になるのは、こうしたサービスが広まれば広まるほど、「売れる車」はこの手のサービスに適したモデルの割合が増えるだろうし、そもそも車の販売台数も減るのではないだろうか、ということです。   世界的に見ればまだまだ個人所有&自分と家族だけが使う車というのは物凄い数になると思いますが、自動車保有にコストのかかる大都市圏や、公共交通の維持が難しくなっている過疎圏では、この手のサービスは非常に有効に機能するのではないかと思います。   車の低燃費技術が進歩してガソリンスタンドの数が減ったように、車の所有目的が減れば車の販売台数も減る。そんな時代は意外と近くに来ているのかな?なんて想像もできたりするわけです。   http://app-review.jp/news/229139   はてさて、法律や慣習の壁はこの先も安泰なのでしょうか・・・  

Koji Yamanaka

Koji Yamanaka
9月の拡販月が過ぎ、COTYノミネート車が発表されると、自動車販売業界は(東京モーターショーが無い年なら)ひとまず落ち着きを見せる10月ですが、今年はちょっと違います。   輸入車の販売(登録)台数ランキングは、エコカー減税への対応に力を入れ、高い商品力で業界をリードしてきたVolkswagen(以降VW)のダントツ一位というのがここ数年の傾向でしたが・・・   まず、今年1月から9月までの新車登録台数の推移をまとめたグラフをご覧ください。(数値出展:以降全てJAIA)   01     3月までの消費税増税前の駆け込みと、翌4月の落ち込み。そして6月ボーナス商戦での回復。ここまでは各ブランドとも同じような軌跡を描いています。唯一目につくのは、4月のAudiとBMWとの順位逆転でしょうか。   ところが各ブランドが販売を落としている7月に、Mercedes-Benz(以降MB)は影響を軽微に留めています。さらに8月は販売台数を伸ばし、ついに単月でVWを抜いてTOPに躍り出ました。その傾向は先月9月も続いています。   新型Cクラス導入の効果であることは疑いようがありませんね。ただ、MBの好調さだけが順位変動の要因ではない印象を受けました。8月から2位に転落した、VWの販売台数が思ったほど伸びていないのです。昨年COTYを受賞したGolfの勢いを受け継ぐはずのGolf Variantや、The Beetle/Polo/up!といった他の量販モデルの伸び悩みがあるようです。   こうした傾向をわかりやすくする為、2013/4-2014/3、2014/4-9、2014/1-9の各累計値をグラフ化してみました。   03   2013年度の累計では1位VWと2位MBとの間には十分な差がついています。ところが、1-9月累計でその差は縮まり、4-9月累計ではかなり近い数値になってしまっています。   3位以下の各ブランド間の差と比べても、VWの減速が大きいことが見てとれます。Aクラス、GLAクラス、Sクラス、Cクラスと立て続けに革新的かつアグレッシブな新型モデルを切れ目なく投入してきたMB、同様に新型車種を立て続けに投入して車種レンジを広げつつあるBMWに対し、市場へのブランニューモデル投入がほとんどなかったVW(とAudi)が苦戦していることが数値から透けて見えてこないでしょうか。   それは、グループとしての登録台数に注目してみるとよくわかります。     02   主に小型車を得意とするVW+中大型車を得意とするAudiの両ブランドですが、MBとsmartのグループに激しく追い立てられています。VWからはAやGLAクラスへと、AudiからはCやSクラスへと顧客が流れているのかもしれません。   一方、このグラフで注目したいのはBMWとMINIのグループ。BMW単体では今年は3位が定位置となっていますが、小型車を取り扱うMINIと組み合わせることで、同様の車種ラインナップとなるMBとほぼ同等の数字を出していることがわかります。   同じように、累計台数でも比較してみましょう。   04     ここでもやはり、VW+Audiグループの落ち込みと、BMW+MINIグループの奮闘が見てとれます。もしMBグループがさらに台数を伸ばすとすれば、現在ほとんど数字に寄与していないsmartブランドのテコ入れが必要になるかもしれません。   今年はVWでは電気自動車の導入がこの先予定されていますが、全体の数を大きく伸ばす要因にはなりにくいタイプの車種です。となると、9月にデビューしたPoloに期待したいところですが、先代からほとんどデザインが変わっていないため、消費者へのアピール力に欠ける印象です。   もし現在の勢いがこのまま持続するとなると、1-12月累計でついにVWの連続TOPの記録がストップするのでは、と個人的には注目しています。   —————————–   さて、同様の傾向を今度は年単位で見てみることにしましょう。2014年のみは1-9月の累計値ですので、他の年よりも大きく下がっていることにご注意ください。   05   ここからは箇条書きでポイントを紹介していきましょう。   ・2009年の大幅な落ち込みはリーマンショックによるものですが、その中で台数を伸ばしてきたAudiは異質とも言えます。   ・MINIの登場がPeugeotの長期低迷を、Audiの成長がVolvoの低迷につながっていることがこのグラフからは推測されます。   ・ただし、Volvoは商品力の強化でリーマンショック後立ち直りを見せています。   ・MBとBMWは2004-2012年の間で激しい2位争いを繰り広げてきました。これはMINIの成長時期を追うように重なることから、MINIの顧客をうまく店舗併設しているBMWが取り込んでいる、という見方もできるかもしれません。こうした相乗効果をもっと他のブランドもうまく活用すれば、と思わずにはいられません。   今度はグループ単位で比較してみます。   06   ・Audiの成長を上乗せすることで、1位を盤石にしてきたVWグループ。   ・MINIの登場で2位へと躍進したBMWグループ。   ・smartが足をひっぱるMBグループ。   ・商品力の差から市場での存在感を落としているPeugeotグループ。   すでに隙間なくラインナップを揃えてきた輸入車ブランド。革新的だったりデザイン的に優れた新型車が出れば再び順位が変動する可能性がありますが、個人的に期待したいのは商用車の導入です。   VWは高級車のフェートンの導入を諦めたため、高額な商用車の導入はまずしない、と思いますが、もし実現すれば市場に面白い変化が起きるのでは、と期待しています。例えばルノーカングーのクラスからラインナップし、商用車としてだけでなく、MPVやミニバン、あるいはキャンピングカーとしての用途にも向いた車両を揃え、乗用車登録可能とすることで、新たな需要を掘りおこせるのではないかと考えるからです。   ただし、欧州の商用車はいずれも車幅がかなり広いことから、首都圏などの大都市部ではそれほど期待はできないかもしれません。   とはいえ、同様の車種はMBも広くラインナップしており、もし導入が実現すれば、日本市場における(国産車に対する)シェアがさらに伸びるのでは、と思っています。   一方、BMWは商用車をもたないことから、さらなる成長のため、車種ラインナップの拡充に走っているのかもしれません。最近の偶数シリーズへの分離と様々なモデルタイプの投入、そしてFF車の発売と、なりふり構わぬ展開を見せています。   果たして2014年は輸入車市場にとってどんな年になるのか。これから先の3ヶ月&半年が楽しみです。  

Koji Yamanaka

Haruta
皆さん、メルセデス・ベンツが2004年から行っている音楽プロモーション「Mixed Tape」はご存知でしょうか?もう10年も経つのですね。     mixed_promotion http://mb.mercedes-benz.com/ja_JP/mixedtape/ 私はVol.1の頃から愛用していて、ドライブでよく流しています。   日本人の参加も時々あって、AyucoさんのInto The Blueとか、Kan Sano さんのThe Daysなどが好き。学生の頃に聞きまくったThe Brand New HeaviesのAll Fired Upも渋い。とにかく無料ダウンロードできますので、試してみてください。   実はAudiも1回だけ(たぶん)やってるんですね。「Audi Tracks」 imgres こちらもなかなかアップ店舗(あ、IMEの辞書が悪さを・・・)な曲が沢山で、ついついアクセルを踏んでしまいます。   そう、昔、弊社のお客様であるAudi Japanさんの電話保留音に使われていましたよ。

Haruta

   
Koji Yamanaka
8/5のトヨタ自動車の発表をもって、国内自動車メーカーの第一四半期の連結決算が出そろいました。 金融アナリスト的な評価は専門家にお任せするとして、ここでは自動車好きとして知っておくべきポイントを拾い上げてみたいと思います。   01     まず注意したいのが、これらの数字は「連結決算」であること。例えば中国などで多い合弁事業など、連結決算対象外となる事業については基本的に含まれていません。   また、メーカーによっては二輪事業や汎用機事業、航空宇宙事業、金融事業などの数字も含まれています。ですので、純粋に4輪事業だけの数字ではないことを念頭に置いておく必要があります。  
1.売上高(単位:億円) 02   売上高については、ご覧の通り世界トップを常に争うトヨタがダントツの数字を叩き出しています。比べるべきは海外の有力メーカーであり、国内メーカーと比較するのは失礼かもしれませんね。   注目すべきは日産とホンダの2位グループ。   まず2位グループですが、ホンダは2輪&汎用機事業も含まれた数字です。4輪のみの数字は23,237億円となっており、日産よりもわずかに下になります。なので、この2社は実際にはほぼ横並びと見てよさそうです。  
2.4輪世界販売台数(単位:千台) 03   売上高では大きく差のついたトヨタと日産&ホンダですが、4輪世界販売台数では半分程度の差になります。それだけトヨタが台辺りで大きく稼いでいるといえそうです。   次に気がつくのが、スズキの販売台数の多さ。スズキは古くからインド市場に進出した結果、インドにて確固たる地位を築いています。   なお、日産自動車とホンダとの差は、商品ラインナップの差かな、と思います。商用車やSUV(ピックアップトラック)も幅広く揃える日産自動車に対し、ホンダはそれら商品をほとんど持っていません。  
3.営業利益(単位:億円) 04   売上高ではトヨタとの差を縮めた日産&ホンダでしたが、営業利益では再び圧倒的な差となりました。財務基盤の強さ、コスト低減の徹底度合いなど、単なる規模の差を超えた違いがあるように感じます。   ちなみにホンダと日産との差は、主に2輪事業にあると思われます。2輪事業は単価の低さ故に売上高にはそれほど貢献しませんが、利益率がとても高い事業のようです。4輪の利益率が4.3%であるのに対し、2輪は10.8%と報告されています。   堅調な富士重工とマツダに対し、利益の面で低迷しているのが三菱とダイハツ。前者が各市場で好調なのに対し、三菱は国内が、ダイハツは海外市場での存在感の無さが影響しているように見えます。  
4.売上高営業利益率(単位:%) 05   売上高に対する営業利益の比率を比べてみます。これまでとはがらっと変わったグラフになりました。   北米市場で絶好調=値引き販売しなくてもよい富士重工が非常に良い数値を出しています。好調な市場で高い商品性を維持していることが結果として出ているようです。海外プレミアムブランド並みかもしれませんが、特定の市場への高い依存は、その市場が大きく減速した時にも影響を受けるリスクがあります。   一方、規模の割には低調なのが日産とホンダ。逆に好調なのがマツダというように、海外市場でどれだけ強いポジションを築けているかが影響している印象を受けます。  
5.トヨタ自動車雑感 <発表資料はこちら> トヨタ自動車は、市場別の販売台数と営業利益、利益率を資料に掲載しています。以下ざっと転載します。   ・日 本 50万6千台 3,659億円 72.3億円/万台 11.1% ・北 米 71万0千台 1,497億円 21.1億円/万台  6.6% ・欧 州 20万7千台  108億円  5.2億円/万台  1.7% ・アジア 38万5千台 1,103億円 28.6億円/万台  9.2% ・その他 43万3千台  340億円  7.9億円/万台  5.8% ・金 融 820億円   販売台数については、国内及び北米での確固たる地位と、その他地域(中東、アフリカ、豪州等)での存在感が目立ちます。反面、欧州市場での弱さが際立つ他、中国市場がまだまだ十分とはいえないかな、といった印象です。   営業利益については、競争の激しい北米市場や欧州市場や市場規模が小さい地域で十分稼げておらず、国内市場に大きく依存している構図が浮かび上がります。   世界一を競うグローバルな販売台数や、1超円を超える通年の営業利益にばかり目が行きがちですが、収益体制を見た場合、トヨタといえど盤石ではないことがわかります。  
  6.日産自動車雑感 <発表資料はこちら> 日産自動車は、市場別の販売台数を資料に掲載しています。以下ざっと転載します。   ・日 本  13万4千台 ・北 米  44万6千台 ・欧 州  17万1千台 ・中 国  28万3千台 ・他アジア 20万6千台 ・その他  43万3千台   日産の場合、北米と中国で強いポジションを築きつつあるといえるでしょう。欧州における存在感も、国内メーカーとしては相対的にかなりある方と言えます。   結果、国内市場の弱さと北米依存度の高さが、トヨタとの営業利益の差になっていると言えそうです。  
7.ホンダ雑感 <発表資料はこちら> ホンダも、市場別の販売台数と営業利益を資料に掲載しています(4輪のみ。グループ対象)。以下ざっと転載します。   ・日 本 20万2千台 621億円 30.7億円/万台 ・北 米 44万5千台 675億円 15.2億円/万台 ・欧 州  4万0千台 -14億円   - 億円/万台 ・アジア 31万6千台 652億円 20.6億円/万台 ・その他  5万8千台  45億円  7.8億円/万台 ・金 融 518億円   ホンダの場合も弱点は欧州市場です。規模、利益ともに撤退してもおかしくない数字です。反面、その他の地域では主要市場で満遍なく利益をあげており、過度な依存は見られません。   トヨタよりも国内市場で台辺りの利益が少ないのは、軽自動車の占める割合の高さと、販売力の差の影響と思われます。  
8.富士重工雑感 <発表資料はこちら> 富士重工は市場別の販売台数と営業利益を資料に掲載しています。以下ざっと転載します。   ・日 本  2万7千台 611億円 226.3億円/万台 ・北 米  12万3千台 163億円 13.3億円/万台 ・欧 州    7千台 68億円(中国、その他含む) 20.0億円/万台 ・中 国  1万6千台 ・その他  2万1千台   販売台数では北米市場に大きく偏っていますが、営業利益では国内市場に強く依存しています。ただ、営業利益については「所在地別」と記載されているため、海外生産の少ない富士重工の場合、海外販売分も国内での売上に計上されているのかもしれません。   ホンダも実は所在地別と資料に記載されていましたが、国内からの輸出よりも現地生産が占める割合がかなり高いため、富士重工のような偏りは出ていないのかもしれません。  
9.マツダ雑感 <発表資料はこちら> マツダは市場別の販売台数を資料に掲載しています。以下ざっと転載します。   ・日 本  4万0千台 ・北 米  11万0千台 ・欧 州  5万6千台 ・中 国  4万4千台 ・その他  6万9千台   マツダも北米での割合が高くなっていますが、他メーカーと比べると比較的各市場にばらけていることが分かります。しばらくはこのままの規模を維持して利益を追求する戦略でいくようですが、巨大メーカーに埋没しない独自性と商品性が今後も重要になってきそうです。  
10.三菱自動車雑感 <発表資料はこちら> 三菱自動車は市場別の販売台数と営業利益を資料に掲載しています。以下ざっと転載します。   ・日 本  2万7千台 -21億円  - 億円/万台 ・北 米  2万8千台 -22億円  - 億円/万台 ・欧 州  5万2千台 126億円 24.2億円/万台 ・アジア  8万4千台 110億円 13.1億円/万台 ・その他  6万7千台 117億円 17.5億円/万台   三菱自動車の場合、国内と北米市場がかなり酷い状況になっています。国内市場での販売台数は富士重工とほぼ同じながら、営業利益は赤字であり、車を売っても全く儲けが出ていない状態です。   欧州やアジアなどの他の市場は堅調ではありますが、国内と北米で十分な儲けが出せるヒット車種が強く望まれる状況といえそうです。  
11.スズキ雑感 <発表資料はこちら> スズキも市場別の販売台数と営業利益を資料に掲載しています。以下ざっと転載します。   ・日 本   16万7千台 308億円 18.4億円/万台 ・欧 州    4万9千台 -26億円  -  億円/万台 ・中 国    7万6千台 199億円(アジア全体) 5.3億円/万台 ・インド    24万5千台 ・東南アジア 5万3千台 ・その他    4万5千台  -5億円  -  億円/万台   スズキは北米市場から最近撤退しており、アジア重視路線をより鮮明にしています。販売台数や売上にもそれはみてとれます。   スズキは早くからインド市場に進出していたことは既に述べましたが、販売台数では既に日本市場を上回っています。ただし、低価格車がまだまだ中心ですから、利益の面では国内市場への依存度は比較的高いといえるでしょう。   国内市場ではダイハツとの軽自動車シェア争いに注目が集まりがちですが、グローバルで見た場合はダイハツよりもかなり先んじているのがスズキです。  
12.ダイハツ雑感 <発表資料はこちら> ダイハツは市場別の販売台数を資料に掲載しています。以下ざっと転載します。   ・日 本   16万0千台 ・東南アジア 9万9千台   ダイハツの海外市場へのコミットは非常に限られており、東南アジア(マレーシアとフィリピン)のみのようです。ある意味、スズキの後追いのような形にも見えますが、販売台数、売上高、利益いずれもスズキの1/3~2/3程度に留まっています。   ただし、独力で成長&市場開拓する必要があるスズキに対し、ダイハツはトヨタグループの一員としての役割があります。つまり、国内に限らず海外市場においてもトヨタを補完する立場にあるわけで、単純に売り上げや台数だけで比較するのはあまり意味がないのかもしれません。  
    以上駆け足で雑感を並べてみましたが、皆さんは各社の決算報告から何が透けて見えたでしょうか。機会があれば、次は海外メーカーについても調べて報告したいと思います。  

Koji Yamanaka